龍の薬膳Part14 涼燥
2023.10.05
秋後半(秋分から立冬にかけて)の薬膳
昼間はまだ残暑が厳しい日もありますが、朝晩の涼しさに秋を感じるようになりました。
秋分の日を中心とした1週間が秋のお彼岸です。これから次第に秋が深まっていきます。
秋はほかの季節と違い、短い期間で真夏から真冬に向かう期間であることから、秋の前半(立秋から秋分にかけて)は「温燥」、後半(秋分から立冬にかけて)は「涼燥」と呼び、区別しています。
以前「温燥」の期間の養生をお伝えしましたが、今回は「涼燥」の養生をお伝えします。
「涼燥」は秋の乾燥の上に冬の寒気が加わるという特徴があります。皮膚や毛髪、喉などが乾燥しやすくなり、感染症にも罹患しやすくなる時期に変わってきます。
このような時期を古来の人々は肺の機能が盛んになる時期として、肺を労わる養生を行ってきました。
肺は潤いを好み、乾燥が苦手で、乾燥は肺を弱らせ、肺が弱ると悲しみも増すと考えられています。
また、秋は色で表すと「白」の季節で、白い物を食べると肺や腸を潤して健全な働きをしてくれると考えられています。
レンコンや梨、ゆり根、きくらげ、豆腐や豆乳、また、白ネギやダイコン、白菜、イチジクや柿、りんごなど、旬の野菜や果物も同様に肺や腸を潤す食べ物とされています。
しかし、何事にも摂りすぎては肺の陰を溜めすぎて痰の生成を助長してしまうことになるため、痰を溜めないようにする食材も適度に用いてバランス取ると良いでしょう。
ショウガやニンニク、香辛料、紫蘇やネギ、薄荷(ミント)なども適度にアクセントに用いると体に負担の無く美味しくいただけます。
今回は涼燥の養生レシピを紹介します。
旬の柿とダイコンを用いたサラダです。
柿はビタミンCが豊富で大きめの柿なら1個で1日の必要量以上を満たします。ほかの果物類はあまり見られないビタミンAも干し柿にすると生の3倍にもなります。
ビタミンAやビタミンCは身体の抵抗力を高め、粘膜を強くするので、常食すれば風邪の予防にもなります。ただし、身体を冷やす作用が強いので胃腸の冷えやすい人、産後や病後の人は多食を控えましょう。
干し柿にすると冷やす作用は緩和し、体力を補う効果が出てきます。また、柿はタンニンを含むので食べ過ぎると便秘を起こします。
ダイコンはジアスターゼなどの分解酵素が食べ物の消化を促し、ゲップ、胸焼け、胃のもたれ、胃酸過多、二日酔いなどの諸症状に効果的。胃の弱い人は食事にダイコンおろしを添えて食べると消化が良く、腸内の老廃物を一掃するので、大腸がんの予防や吹き出物等にも役立ちます。
【柿とダイコンの白ごまドレッシング和え】
[材料]柿(1/2個)、ダイコン(100g)、モッツァレラチーズ(100g)、アーモンドやクルミなどお好きなナッツ類(適量)、シソ(適量)、黒コショウ(適量)
玉ねぎ(みじん切り100g)、オリーブオイル(適量)、酢(50g)、すりごま(50g)、はちみつ(40g)、塩(3g)
[作り方]①ドレッシングを作ります。玉ねぎ以外のオリーブオイル、酢、すりごま、ハチミツ、塩を混ぜ底がしっかり混ざったところで玉ねぎのみじん切りを入れて混ぜます。
②ナッツ類はトースターなどで軽く煎って砕いておきます。
②柿、ダイコンはいちょう切りにし、その大きさに合わせてモッツァレラチーズも切ります。
柿、ダイコン、モッツァレラチーズを器に乗せて飾り、ドレッシング、胡椒、シソの千切り、ナッツ類を振りかけたものを飾ったら完成。
~以上の記事は「食べて治す医学大辞典」「5/R自然の薬箱」のサイトを参考に作成しています~