龍の薬膳part24 桃の節句の薬膳
2024.03.04
「桃の節句」に関わる薬膳~菱・母子草・ヨモギ
3月3日は桃の節句。
上巳(じょうし)の節句とも言われ、もともとは3月上旬の巳の日の事でしたが、古来中国の三国時代・魏の時代より3月3日に行われるようになったと言われています。
中国王朝の漢の時代(紀元前206年~220年)には行われていた行事で、官民そろって水辺に出て祓除する行事でした。
日本においての起源は平安時代より前で、今日の貴族階級の子女が御所を模した御殿や飾りつけで遊んで健康と厄除けを願ったものが始まりとされ、江戸時代には紙製の人形の形代を作ってそれに穢れを移し、川や海に流して災厄を祓う祭礼になり、現在でも「流し雛」として残っています。
中国では3月3日の上巳節に菱の実の粉で作った餅に母子草(ハハコグサ)を混ぜて食べる習慣があり、菱餅のルーツと言われてます。
菱の実には「子孫繁栄」や「長寿」の力があるとされ、母子草には「母子が健やかであるように」との願いが込められていました。
菱の実はビタミンやミネラルの種類が豊富で、身体の調子を整える成分も含まれています。また、菱の実の皮を煎って乾燥させ、お茶の代わりにして飲むと、肝硬変や腹水治療に効果があることも明らかになりました。さらに、実の部分には肝癌や腹水の抑制作用が確認され、胃がんや大腸がんなど、消化器系のがんに対する治療効果が高いとされてます。
母子草は日本全国で日当たりのよい畑地・原野・道端にごく普通に見られるキク科の越年草です。4~5月に小花を多数つけます。この開花時期に全草を水洗いして天日でよく乾燥させたものは鎮咳・去痰・扁桃炎・喉の腫れに有効で、利尿作用があるため、急性腎炎に伴う
浮腫みの軽減に効果があるといわれてます。
母子草は葉を菱餅の中に入れてましたが、最近は緑色が鮮明なヨモギが取って代わり今では草餅や菱餅に用いられることは殆どなくなりました。
ヨモギも古代より婦人科の薬として使用されてきました。日本薬局方には5月~夏の間に葉を採取し、日干しにしたヨモギ(ガイヨウ)は経を温め、血を止める効果があるとされています。
菱は国内でも手に入るところが限られていますが、福岡・佐賀の特産で、手に入りやすい環境にありますので、ぜひ、手に入りました折には実を茹でて食べたり、皮をお茶にして頂くことで健康増進の一助にしてみてください。
上記の記事は「Wikipedia」、「日本薬学会~生薬の花」を参考に作成しています。