龍の薬膳part23 寒い時の薬膳
2024.02.10
龍の薬膳part21 「大寒」の薬膳
一年を24の季節に分けた二十四節気で一番最後の節気が「大寒」、大寒の次の節気は「立春」で暦の上では春、そして新たな一年を迎えることになります。
1月20日から2月3日までの大寒の時期は一年で最も寒い時期とされ、身体に負担がかかりやすい季節ですが、この時期に養生しておけば新たな一年を元気で過ごせると言われています。
大寒の頃、内臓の中でも寒さに弱い「腎」を補うと良いとされます。
身体を冷やさないこと、そして「腎」に良いと言われる黒い食材(黒ゴマ、黒豆、ヒジキ、黒キクラゲ等)を取り入れることをお勧めします。
また、七十二候では大寒初候(1月20日~24日)は「款冬華(ふきのはなさく)」。ふきの別名を款冬(かんとう)と言い、春の訪れを伝える植物で、山菜で召し上がる方も多いのではないでしょうか?大寒に春の旬菜のふきのとうを食事に取り入れるのも、食養生の一つです。まだ地物は出回ってませんが、栽培のふきのとうは時折お店でも見かけるようになりました。ちなみに私は、昨日ふきのとう天ぷらを頂きましたが、ふきのとうを頂いた日の夜はトイレに2度ほど起き、しっかりと体の中の余分な水分を出して体の冷えを軽減することができました。
ふきのとうは「健胃化痰、涼血解毒」作用があり、余分な湿気や熱、老廃物を取り除く作用があります。独特の苦み成分は「フキノール酸」、「ケンフェノール」、「アルカロイド」などのポリフェノール類で、フキノール酸は咳止め、花粉症予防に、ケンフェノールには免疫力アップ、アルカロイドには肝臓・腎臓の機能を高める効果があると注目を集めています。
また、香り成分は「フキノリド」と呼ばれ、消化液の分泌を促進し、整腸作用も期待できます。
ふきのとうは締りがあって蕾がまだ固く閉じて小ぶりなものを選びましょう。黄色っぽいものはアクが少ないのでそのまま天ぷらや炒め物に、緑色の物は下茹でして冷水にさらしてアクを抜いて使うと美味しくいただけます。
今回は「腎」を補う黒ゴマを用いたレシピとふきのとうのレシピをご紹介します。
[腎を補う焼きカブの胡麻和え]
カブ1個はくし切りにし8等分に切り分け分けます。フライパンを熱し、ゴマ油を適量入れてカブの表面に焦げ目がつく程度に強火でさっと焼きます。
塩少々、醤油小さじ一杯、砂糖少々と黒ゴマ大さじ1を入れて混ぜた合わせ調味料を作り、フライパンのカブにふりかけてさっと絡めてできあがり。
[ふきのとう味噌]
ふきのとう20個、サラダ油大さじ1、味噌大さじ3,みりん大さじ1、砂糖大さじ1、白いりゴマ大さじ1を準備します。
洗ったふきのとうを熱湯で1分程茹で、冷水にとってアクを抜き、水けを切ったら粗みじんに切る。
フライパンにサラダ油を熱し、味噌、みりん、砂糖、ゴマを入れて焦げないように練る。練り上げた味噌に刻んだふきのとうを混ぜ合わせて火を止める。
以上の記事は「食べて治す医学大辞典」、「健康レシピ~栄養科西成病院」、「季刊・家庭の薬膳季節のすこやか食養生」を参考に作成しています。