龍の薬膳part10 イライラ
2023.09.08
残暑を乗り切ろう!「イライラ」するときの薬膳。残暑の厳しい日が続いてますね。暑さと天候不良ですっきりとしない天気が続いて、何かと気持ちが落ち込んだり、イライラするといったことはありませか?イライラ解消法はそれぞれあるとは思いますが、まずはストレスやイライラをため込まないこと、ストレスを受けても跳ね返す健康な心身を作ることです。それには、規則正しい生活と栄養バランスの取れた食生活が大切です。食事は1日3回規則正しく、ゆっくりと楽しく食べます。その際、漬物・梅干し・味噌汁等、精神を安定させる食べ物を利用するとイライラ解消の手助けになります。お酒やコーヒ―などもストレス解消に役立ちますので、適度に飲むと良いでしょう。その他、カルシウムが不足すると神経の興奮は高まって、イライラ、不安感が募ります。カルシウムを充分に摂ると同時にカルシウムの吸収を高めるビタミンDの補給も行いましょう。
【精神を安定させる食べ物】
- イライラがひどい時は~小麦の煎じ汁
小麦は精神を安定させる働きに優れ、漢方生薬にもなっている程です。イライラしやすい人は小麦を常食すると良いでしょう。イライラがひどい時は、小麦と甘草、大棗(ナツメ)を煎じた汁が効果的です。粒のままの小麦20gと甘草5g、大棗5個を600mⅬの水で半量になるまで煎じ、お茶代わりに飲みます。これは「甘麦大棗湯」という漢方薬で、精神不安やノイローゼ、ヒステリーに大変良く効きます。
- 精神安定作用がある~玉ねぎ
玉ねぎには涙腺を刺激して涙を出させる成分が含まれています。この成分には精神を安定させる作用があります。また、ビタミンB1の利用効果を増す作用がある成分も含まれています。ビタミンB1は精神疲労を取ってイライラを鎮める為、神経のビタミンとも言われています。ですから、生の玉ねぎを食べると効果的です。ただし、刺激が強いため多量に食べないようにしましょう。
- 不眠にも良く効く~ゆり根
中国には昔から百合病という病気があります。寡黙でしゃべりたがらない、眠りたいが眠れない、動きたいが歩けない、寒気や熱感がはっきりしない、独り言、口が苦い、尿色が濃い、脈が速い等、現在の神経症、ヒステリーに類似すると言われます。このような病態には百合が良く効くとされています。百合根は精神の不安を鎮め、不安愁訴、ヒステリー不眠に効果があります。イライラして眠れない場合はゆり根の煎じ汁を飲みます。ゆり根の煎じ汁~ゆり根7個を1昼夜600mlの水に浸し、この浸した水を半量になるまで煎じる。煎じたらゆり根を取り出し、卵黄1個分をほぐして入れ、この煎じ汁を朝夕2回に分けて飲む。また、夕食時にゆり根と豚肉を加えて炊いたお粥を食べても効きます。そのほか、ゆり根にハチミツをたらして蒸したものを常食しても良いでしょう。
- 不安感の強い時~クルミ湯
クルミにはノイローゼや不眠症に優れた効果があると言われています。クルミには良質のたんぱく質やミネラル、ビタミンB1、B2、Eなどがたっぷり含まれている為、心身の健康を取り戻すための栄養補給にも最適です。不安感が強い時にはクルミ湯が効果的です。クルミ30gをすり鉢ですって粉末にし、少量の砂糖を加え、お湯で解いて飲みます。
- 精神が不安定な時~牡蠣
牡蠣も精神不安や胸騒ぎがして眠れない時の治療に効果があります。新鮮な牡蠣を生で食べるのが一番です。特にイライラしてのぼせがある人に効果があります。ただし、生の牡蠣は身体を冷やす作用が強いので冷え症の人は避けましょう。また、牡蠣の殻はカルシウム補給に役立ちます。牡蠣の殻の黒焼き粉末2~3gを1日3回空腹時に白湯で服用します。
- 気持ちを鎮める~クチナシ酒
クチナシの実には様々な薬効があります。消炎作用や解毒作用がある他、高ぶった神経を鎮める作用に優れています。イライラしやすい人はクチナシの実(山梔子サンシシ)で作ったお酒が効果的です。クチナシの実50g、黒豆65g、ホワイトリカー800mⅬを準備します。黒豆は弱火で皮が破れるまでカラ煎りします。クチナシの実と黒豆をミキサーにかけて砕きます。熱湯消毒した容器にクチナシの実と黒豆の粉を入れ、ホワイトリカーを注ぎ、2~3か月置きます。漬けたリカーは布で漉し、1日1回就寝前に20~30mⅬ飲むと良いでしょう。
~上記記事は「食べて治す医学大辞典」を参考に作成しています。