龍の薬膳part17 秋土用の肌荒れ薬膳
2023.10.27
「秋土用」と肌荒れ予防の薬膳
朝晩の冷え込みが日に日に増してきています。
最近は風邪を引いてしまったという患者さんもちらほらいらっしゃいます。秋から冬にかけての変わり目で、体調を崩しやすい季節になってます。
10月20日から立冬までの18日間を「秋土用」と言います。
立春、立夏、立秋、立冬の前の18日間を「土用」と言いますが、土用の時期は季節に関わらず先ずは胃腸の調子を整え、季節の旬のものを頂き、早寝早起きに心がけることで体調を崩さず1年を過ごすことができると言われています。
「秋土用」におススメの食材は「青い物」「肺を潤す白い物」が挙げられます。
「青い物」で秋の旬と言えば青魚のサンマ、イワシ、アジ、サバ等です。
「白い物」で秋の旬と言えば、白菜、大根、レンコン、ねぎ、ゆり根、山芋やカブ、銀杏等。
初物七十五日と言い、旬の時期に出回り始めた「初物」を食べると寿命が75日延びるということわざもあります。季節の物を積極的に取り入れ心身の健康維持を目指しましょう。
また、空気の乾燥とともに、肌荒れの訴えをされる方も増えてきています。
皮膚は肺と関わりがあります。肺を潤す食材を取り入れることで肌荒れ予防にもなります。
今回は肺を潤し、肌荒れにも効く身近な食材と薬膳レシピをご紹介します。
- 肌がすべすべになる~ヤマイモ
ヤマイモは肌を潤す作用に優れています。ヌルヌルの正体ムチンは滋養強壮効果があり、様々な酵素成分を含んでいます。
これらの成分は細胞の機能を活性化させ、新陳代謝を高める働きがあります。
また、胃腸を強化し、消化を促進する作用があるため便秘による肌荒れにも効果があります。
「ヤマイモの梅干し和え」は新陳代謝が一層高まって美肌作りにより効果的です。
「ヤマイモの梅干し和え」~ヤマイモを細切りにし、梅干しの果肉と和え上に刻みのりを振りかけていただきます。
- 角質化した肌に~梅
梅は食べても塗っても効果がある食材として昔から重宝されていました。
塗れば肌疾患に良いとされる梅ですが、肌荒れを治す働きもあります。
特に「梅干しの日本酒漬け」が効果的です。
「梅干しの日本酒漬け」~梅干し2~3個をコップ1杯の日本酒に1週間程漬け込みます。この漬け込んだ酒を入浴後に荒れた肌に丁寧にすりこむと肌がスベスベしてきます。特にガサガサに角質化してしまった肌を改善するのに効果的です。
- 肌ツヤが良くなる~レンコン
レンコンはビタミンCやミネラルが豊富に含まれており、薬効としては特に止血作用があることで知られてます。最近では心臓に作用し、血圧をコントロールしたり、末梢神経の血行を良くする働きがあることも判明しました。レンコンは新陳代謝を活発にして肌荒れを防ぐ効果があります。
特に「レンコン粥」が効きます。ハスの実(蓮子)を使うとより有効です。ハスの実は栗のような豆のようなほっこりとした優しい味で、心を落ち着かせ、安眠効果もあります。
「ハスの実レンコン粥」~ハスの実は一晩水に浸けておく。厚手の鍋を準備し、生米2分の1合(約75g)、一晩水に浸けたハスの実、ごま油小さじ1を入れて軽く混ぜ、中華だし小さじ1、水750mlを入れてフタをせずに中火~強火にかけ、白い泡がふつふつしてきたら鍋底から軽く混ぜ、おろし生姜小さじ1、レンコン100~150gをすり下ろしたもの、塩小さじ1を入れ、中火でフツフツとなるまで煮たら弱火にし、吹きこぼれないように鍋蓋を少しずらして蓋をして30分程煮て出来上がり。
レンコンは良く洗って泥を落とし、皮ごと擦るのがおススメです。レンコンの皮には喉の痛みや咳を和らげる効果もあります。ハスの実が無い場合はレンコンだけでも美味しく肺や肌を潤しますのでお試しください。
~上記の記事は「食べて治す医学大辞典」、「おかゆワールド.com」を参考に作成してます~