しん漢方心療クリニック

院長ブログ

龍の薬膳part31 むくみの薬膳

2025.08.06

毎日暑い日が続きますね。

この時期、身体が重だるくてどうも体調が良くないという方もいるかと思います。

今回は身体の重さの原因の一つともなりうる、「むくみ」の薬膳についてご紹介します。

どこがむくむのか?何が原因なのかを突き止める~体内に余分な水分が増えた状態をむくみ(浮腫)と言います。

体重が増えてくると同時に、瞼が腫れぼったい、足首やふくらはぎが太くなるなどの異常が見られます。

腎臓や心臓の病気が原因となって現れることがおおく、他には肝臓病の腹水、タンパク質不足による栄養失調、更年期障害のようなホルモンの異常等でもむくむことがあります。

最初に顔が浮腫み、全身に広がる場合は、腎臓病の可能性が高く、急性腎炎、ネフローゼなどが考えられます。

足からが浮腫み始める病気には心臓病を始め、低たんぱく血症、肝硬変、腹膜炎などがあります。

以上のむくみは指で押すと水分が異動してくぼみができます。押してもへこまないむくみもあります。これは甲状腺機能低下症や薬の副作用で見られます。

長時間立っていた時に起こるむくみは異常ではありません。

むくみのある時は水分と塩分を摂り過ぎないように心がけ、尿をたくさん出すために利尿作用のあるものを食べるようにします。

症状が重く、なかなか治まらない時には、医師の診断が必要です。

利尿薬を飲むこともありますが、服用に当たっては必ず医師の処方に従った薬を使います。勝手に市販の利尿薬を飲んではいけません。

【むくみの早期発見法】

足のむくみはその原因に心臓病が考えられます。早期発見が望ましい。

むこう脛(すね)を骨の方へ指先で約30秒押す。むくみが無ければもとに戻りますが、へこみが残る時は浮腫んでいる証拠です。また、靴がきつくなるのもむくみのサインの一つです。

【むくみに効く食材、レシピ】

① あずき~利尿効果が高い

あずきには強力な利用作用があり、さまざまなむくみに著しい効果をあげます。

薬効を第一に考える時は味付けをしないことが大切です。何にも味付けせずに煮たあずきをごはん代わりに食べるとむくみが減ります。これは栄養失調によるむくみにも最適です。

(あずきの煮物)小豆はさっと洗って鍋に入れ、かぶるほどの水を入れて柔らかくなるまで

煮る。味付けもあく抜きもしないのがコツ。

(小豆の煎じ汁)1日3回分の分量~小豆30g(大さじ2杯程度)と水600㎖

小豆をさっと洗い、水と一緒に弱火で煮込む。水が半分量になるまで煎じる。

汁を3等分し、1日に3回空腹時に飲む。

② すいか~果肉、種子に利尿効果

スイカを食べると尿の出が良くなります。水分制限のある腎臓病のはスイカ糖を取ると良いです。

スイカの種子の煎じ汁も同様に効き目があります。8gの種子を600㎖の水で半量まで煮詰めたものを1日三回に分け、空腹時に飲みます。

(スイカ糖)スイカを二つ割りにして果肉をすくいとり、ガーゼか布で果肉を絞って果汁を集める。

果汁を鍋に入れて弱火で煮る。赤いよどみが出てきたらすくいとる。3~4時間煮ると水分が少なくなりとろみが出てきます。焦げないように良く混ぜること。ハチミツよりも緩いくらいのとろみがついたら火を止める。熱湯消毒した瓶に入れ、冷蔵庫で保存すれば1年持ちます。毎日3回、1日に大さじ1杯を食前に飲むと良いでしょう。

③ りんご~心臓病によるむくみに

心臓病によるむくみは主に下半身に現れます。このむくみにはりんごの黒焼きが効きます。

(りんごの黒焼き)りんご1個を1㎝くらいの薄切りにし、アルミホイルで包み、フライパンで黒焼きにして粉末にします。1回5~6gを白湯で飲みます。

④ きゅうり~身近な利尿薬

むくみには熟したきゅうりが効きます。種子を除いたきゅうり300gを煎じて1日2~3回に分けて飲むとむくみの初期に効果があります。

生で使う場合は新鮮なものをすりおろして布で漉した汁を飲みます。

身体を冷やす為、胃腸が冷えやすく弱い人は多食しないようにしましょう。

⑤ トウモロコシ~抜群の利尿効果

トウモロコシは身にも芯にもヒゲにも利尿作用があります。

むくみがるときにはヒゲの煎じ汁を飲むと尿を出してむくみを解消します。

乾燥させたヒゲ15gを600㎖の水で半量になるまで煎じ、漉したものを3回に分けて毎食全から空腹時に飲みます。

【その他のむくみ改善食材】

〇鯉~魚の中でも最も利尿効果があり、むくみにも効きます。

鯉のぶつ切りを弱火で煮込み、味噌で味付けする鯉こくが代表的な食べ方ですが、塩分の制限も大切なので、味噌を控えて薄味にするのがポイントです。

〇えんどう豆、黒豆~薄味の煮豆にして食べると良いです。むくみが酷い時は煎じて飲む方法もあります。

〇タンポポ~煎じても食べても効果があります。乾燥した葉か根を10g、生の葉なら30gを600㎖の水で半量になるまで煎じたものを1日3回に分けて空腹時に飲みます。むくみの出やすい人はタンポポ葉のサラダやお浸し、あえ物を普段から摂ると良いでしょう。

以上の記事は「食べて治す医学大辞典」を参考に作成しています。

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