しん漢方心療クリニック

院長ブログ

龍の薬膳part20 神経痛

2023.11.17

神経痛におススメの薬膳

寒さが増してき始め、腰痛や神経痛を訴える患者さんがちらほらと見受けられるようになりました。

寒くなると血管が収縮して血液の循環が悪くなり、筋肉が硬くなります。また、血液循環が滞ることで身体の組織への酸素供給が鈍り、痛みを引き起こすブラジキニンやセロトニンといった発痛物質が筋肉などに溜まりやすくなると言われ、神経痛発症の可能性として考えることができます。このような背景を考えると、血管を広げて血行を良くしておく習慣が大切になってくることがわかります。

血行が悪くなりやすい冬だからこそ、外に出なくても、部屋の中で足踏みをしたり、体操をするなど、無理のない範囲で身体を動かす習慣を意識していきましょう。

今回は神経痛に効く薬膳食材をご紹介します。

〇肋間神経痛の痛みに~カボチャ

中国ではカボチャは「上腹部(胸・肺)を丈夫にする食べ物」とされています。

肋間神経痛の痛みには止痛・消炎効果のあるカボチャ湿布をお勧めします。

カボチャを蒸してドロドロにつぶしてペーストを作り、ガーゼに適量広げて痛む場所に湿布します。冷めたら温かいペーストに塗り替えて1日2~3回繰り返すと良いでしょう。

〇あらゆる痛みに効く~ヘチマ

小学校の理科の観察で栽培していたヘチマ。ヘチマのたわし等は見かけますが、なかなか普段の生活では馴染みがない方も多いかと思います。

でも、このヘチマの蔓から取れるヘチマ水は神経痛や頭痛、腹痛、リウマチ、五十肩等幅広い鎮痛効果があると言われています。特に神経痛には「ヘチマ水の煮汁」を飲むと効果が高まると言われています。

ヘチマは秋に採れるものが良く、1本の蔓から1~2リットルも取れます。

ヘチマの蔓を根本から60㎝ほどの所で切り、切り口を1リットル瓶の中に入れてヘチマ水を集めます。2~3日するとヘチマ水が溜まります。ヘチマ水360mⅬに対して氷砂糖200gを加えて半量になるまで煮詰め、食前に盃1~2杯飲みます。

〇身体を温め、痛みを取る~マタタビ

マタタビの果実は、生薬名を「木天蓼(もくてんりょう)」といって、鎮痛や保温の効果があります。

果実から採取するのは難しいので、漢方薬局などで購入すると便利です。

乾燥させたマタタビの果実の粉末を1日3回飲むと神経痛、腰痛に効き目があります。

マタタビの煎じ汁はマタタビの木の皮を乾燥させたものを水で煎じます。1日3回に分けて温めて飲むと良いでしょう。

乾燥したマタタビの蔓や葉は入浴剤にして薬草風呂にすると体が良く温まって痛みを和らげます。

〇飲み続けると効果的~ハト麦

神経痛のある方でいつも汗をかいていたり、浮腫みがあって、水分代謝が悪い方もいます。

ハト麦には優れた利尿作用があり、筋肉の強張りや神経痛に有効です。

殻付きのままでハト麦茶にするほか、殻を取り去った実(ヨクイニン)を煎じたり、ヨクイニン酒(ヨクイニン100~300gをホワイトリカー1,8リットルに浸ける)にして利用します。

〇梅酒湿布が痛みに効く~梅

痛みが起こったら安静にして梅酒湿布をすると楽になります。

梅酒湿布に使う梅酒は氷砂糖を入れないものが良いでしょう。

青梅が取れる時期に青梅を丁寧に洗い、水気をきちんとふき取り、竹串を使ってヘタとヘタの中のごみを取り除きます。広口瓶に梅を入れ、ホワイトリカーを注いで冷暗所で約3か月置きます。通常の梅酒と違い、糖分が入らないので、熟成に時間がかかりますが梅が沈んだら出来上がりの目明日です。

この氷砂糖なしの梅酒はそのまま飲んでもよく、湿布の場合は梅酒をガーゼに浸して痛むところに湿布します。

梅酒湿布は神経痛だけでなく、リウマチや関節炎、腫れものの痛み、扁桃炎や気管支炎による喉や胸の痛みにも効きます。

〇神経痛時に食べない方が良い物

神経痛は慢性化してくると血液の循環にも影響を及ぼします。エビやカニ、イカ、タコなどの魚介類、山菜と言った灰汁の強い物は控えるようにしましょう。

また、身体を冷やす生野菜やサラダ、果物の多食、砂糖も出来るだけ控えましょう。水分の摂りすぎも体を冷やすので注意しましょう。

~上記の記事は「食べて治す医学大辞典」を参考に作成しています。~

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