しん漢方心療クリニック

院長ブログ

龍の薬膳part19 高血圧

2023.11.17

高血圧症におススメの薬膳

寒さで血圧が高くなる方がいます。寒いと体温の低下を防ぐために自律神経が働き、体中の血管を縮めて体温を一定に保持しようと働くからです。

また、寒さによる運動不足や濃い味を摂りがちになって知らず知らずのうちに塩分を多くとっていることも原因の一つです。

晩酌習慣のある方は、夜の血圧は低下しますが、朝方の血圧は逆に上昇する「モーニングサージ」が生じやすいことが知られていますので、注意が必要です。

治療法としては、何等かの病気が原因の二次性高血圧症は原因となった病気の治療が第一です。原因となる病気が無い本態性高血圧症では食事、運動、日常生活などの一般療法が中心になります。塩分や脂肪を制限し、適度な運動、休息、ストレス解消、アルコール・喫煙を控えることが基本です。

一般療法としての食事の見直しとして、高血圧症に有効な薬膳、食材をご紹介します。

〇タンニンが血圧を下げる~柿

スーパーなどでよく見かけるようになった柿。今年の柿は甘くて大振りでおいしそうです。

柿の渋みのカキシブタンニンという成分には血圧を下げる働きがあり、果実だけでなく、柿の葉にも含まれています。

成分を抽出したものを「柿渋エキス」と言い、漢方薬局で購入できます。

積極的に血圧を下げたいなら柿の葉茶や柿渋エキスを使うと効果が期待できます。

柿渋エキスは毎日飲みます。1日3回、1回の量は盃に1杯が適当です。大根おろしを少し加えると飲みやすくなります。

血圧が急に高くなった時は「柿汁入り牛乳」を飲みます。

【柿の葉茶の作り方】柿の葉は6~10月の若葉のうちに摘んで水洗いしておく。蒸し器で葉を2~3分蒸し、冷ましたら3㎜の短冊切りにし、日干しにして乾燥させ、乾いたら保存容器に入れておく。柿の葉茶を飲むときは急須に適量入れ、熱湯を注いでいただく。急須は金属製の物は用いないようにしましょう。また、ビタミンCの吸収を良くするため、柿の葉茶を飲んだ後4~50分はコーヒー、紅茶、緑茶は控えましょう。

【柿汁入り牛乳】柿1個は皮をむいて適当な大きさに切り、布かガーゼで絞って絞り汁をコップに注ぐ。柿の絞り汁と同量の牛乳を加えて飲む。

〇のぼせを取って血圧を下げる~春菊

春菊には毛細血管を広げ、血圧を下げる働きのあるマグネシウムが豊富です。

また、漢方の考え方では、独特の苦みに心臓の働きを助ける作用があると言われています。

茹でた時にゆで汁も飲むようにすればより効果的です。

薬効成分を無駄なく使うには生の絞り汁が一番です。春菊を適当に刻み、ミキサーにかけて汁を絞り、その生汁を頂きます。

〇血圧を下げ、動脈硬化も防ぐ~玉ねぎ

高脂肪の食事によって、血漿コレステロールが上がった時に優れた効果があるので大いに利用したい食べ物です。

高血圧の治療と動脈硬化症の予防を兼ねて薬用にする場合は玉ねぎの皮を煎じた汁を飲みます。

1日の分量は5gで、600mⅬの水で煎じます。半分の量になるまで煮詰め、カスを濾したものを3回に分けて飲みます。食間の空腹時に温めて服用しましょう。

〇朝昼晩に汁を飲むと効く~人参

眼精疲労、目の乾燥、肌荒れなどのビタミンA欠乏症に効くほか、血圧を下げる働きもあります。

漢方ではのぼせを鎮める作用もあると言われます。

高血圧症には生のジュースを飲むと効果があります。1日に100g分のしぼり汁を1日に2~3回服用します。

高血圧症を促進させる便秘を解消するには人参のつき汁にハチミツ適量を加えて飲むと効果があります。

〇降圧作用のある成分を含む~セロリ

漢方では血圧を下げる、痙攣を鎮める、利尿・浄血などの作用があると認められ、広く利用されてきました。

本態性高血圧症に特に良く効くというデータもあります。

血圧が上がった時は生のセロリの絞り汁を飲みます。刻んで絞った汁に同量のハチミツを混ぜ、1回40mⅬを1日3回服用します。サラダや炒め物にして常食するのも良いでしょう。

〇生活習慣予防の特効薬~昆布

カルシウム・カリウムが豊富で、高血圧症に効果があり、最近では褐藻アルギン酸ナトリウムという成分が血圧や血中コレステロールを下げることが明らかになっています。

コブ茶や昆布の粉末を手作りして毎日常食しても良いでしょう。

【昆布の粉末】昆布20gは3㎝四方に切ってフライパンなどで30分程かき混ぜて炒りながら焦がす。焦げた昆布をすり鉢に入れてすりこぎで粉状にする。この粉を1回3g、1日3回水かお湯で飲む。

〇その他のおススメ食品

グリーンアスパラガス、そばのゆで汁(そば湯)は血管を強化し、血圧を下げるルチンが多く含まれています。

カリウムが豊富なドクダミの煎じ汁も有効です。クコの葉はお茶代わりに飲むと血管を強化します。

~上記の記事は「食べて治す医学大辞典」を参考に作成しています。~

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