しん漢方心療クリニック

院長ブログ

龍の薬膳part4 スタミナ不足

2023.07.21

夏の養生 ⑤スタミナ不足

毎日うだるような暑さですね。立秋の前18日間を夏の土用と言いますが、7月20日から夏の土用に入りました。また、7月23日は24節気の「大暑」で最も暑い頃とされています。実際は梅雨が明けてこれからが夏本番で、今後も気温の上昇が懸念されます。日によっては体温よりも外気温の方が暑い日もあり、空調の調整や水分補給をこまめにして暑さ対策を心がけてください。また、どんなに対策しても中々疲労が取れない場合もあります。サプリメントや栄養ドリンクなどもありますが、ぜひ毎日の食事からもスタミナを補うものを摂って夏の暑さを乗り切ってほしいと思います。今回はスタミナ不足を補うレシピを紹介します。

スタミナレシピ~ウナギと山芋の団子汁

脂質が豊富なウナギは昔から栄養価の高い食べ物として有名です。ウナギは日本から離れること2000キロのマリアナ諸島で生まれ、様々な障害を乗り越えて日本の河川まで泳いでやってきて成長し、また産卵時期になると2000キロの海を渡ってマリアナ諸島付近で産卵します。川から陸に上っていくたくましい姿もテレビで見たことがあります。それほどにたくましくスタミナたっぷりの彼らのエネルギーを頂きましょう。特に盛夏に食べるウナギは体力をつけ、夏バテ防止に効果があるため、虚弱体質の方にもおすすめです。また、山芋も滋養・強壮作用に優れている野菜の一つです。別々に食べてもスタミナが付きますが合わせて食べるとより一層効果的です。

レシピ:

  1. ウナギ一匹を3枚におろし、包丁でたたいてミンチ状にする
  2. 山芋をおろし器ですりおろし、①のウナギのミンチと混ぜて団子を作る
  3. だし汁に団子を入れて煮ます。煮立ったらスープと一緒に頂きます

胃腸の弱い人はショウガのしぼり汁、ネギみじん切りを食べる直前にかけると良いです。

足腰がだるい時に~エビと豚のだんご粥

エビは強壮作用、老化防止作用の強い食べ物です。精力が減退し、足腰がだるくて力が入らないなどの症状が方に効果があります。また、豚肉も同様の作用があります。

レシピ:

  1. 小エビを包丁でたたくなどしてミンチ状にしておく
  2. 脂身の多い豚も同様にミンチ状にするか、豚ミンチを用いて、①の小エビミンチと混ぜる
  3. 小エビと豚のミンチを団子に丸めて粥に入れて煮詰める

お好みで塩や醤油をかけていただく。アレルギー体質の人は多食しないようにしましょう

滋養・強壮に~ハスの実の煎じ汁

ハスの実は蓮子(レンシ)といい、滋養強壮剤として用いられています。スタミナ不足にはこのハスの実の煎じ汁が良く効きます。外側の黒くて硬い殻をとったハスの実15gを600mlの水で半量になるまで煎じ、これを1日3回に分けて空腹時に飲みます。

滋養・強壮に~にらの青汁・重湯

ニラは強精・強壮作用が非常に強い野菜です。また、胃腸を始め、内臓全体の調子を整える働きがある他、血液の循環を良くし、自律神経を刺激します。スタミナ不足を感じたら、食べるだけでなく、ニラの重湯を作って飲むと効果的です。ニラの種子は韮子(キュウシ)といって、漢方薬局で手に入ります。これを1回30粒、1日3回空腹時に飲みます。

にらの重湯のレシピ:ニラの種(韮子)…カップ1、米…カップ2分の1、水…カップ8 材料をすべて鍋に入れ、煮詰める。米が粥状になったらその汁を濾す。濾した汁を1日分として3回に分けて飲む

にらの青汁のレシピ:ニラ…3~40g、日本酒…適量 ニラは洗って細かく刻む。刻んだニラをすり鉢でついてドロドロになったらガーゼで絞り青汁を出す。青汁に日本酒を好みの量入れ、寝る前に飲む。

その他のスタミナ不足におすすめの食品・山野草

・山芋の皮の煎じ汁

山芋は良く洗い、皮だけを日干しにします。良く乾いた山芋の皮5gと水600mlの水を合わせて弱火で半量になるまで煎じ、この汁を1日3回に分けて空腹時に飲むと効果的です。

・ニンニクドリンク

皮をむいたにんにく15gと皮つきショウガ15gを薄切りにし、400mlの水で半量になるまで煎じます。飲むときははちみつを加えて温かいうちに飲みます。

・ニンニクの蒸し焼

ニンニク60gを皮をむいてアルミホイルに包みます。これを15分くらい蒸し焼きにし、毎日寝る前に食べると疲れが取れ、スタミナが付きます。

・イカリソウとアマドコロ

イカリソウは生薬名を淫羊霍と言い、中国の故事に由来します。四川省北部の山中で羊がこの草を食べて1日100回交合したことからこの名前が生まれたと言われます。それほど滋養強壮に優れていることがわかります。また、イカリソウは肉体的な強壮だけでなく、神経衰弱、健忘症、精神的な疲労感や憂鬱感にも効果があるとされています。

アマドコロは滋潤(体を潤す)、滋養強壮作用があり、熱病による脱水、咳、口渇、寝汗などに用います。民間では打撲傷にすりおろした汁や粉末を酢で練ったものを外用したり、焼酎漬けのアマドコロ酒も滋養強壮薬となると言われています。

夏にはイカリソウ、秋にはアマドコロを採取、陰干しして乾燥おきます。

それぞれ各10gを600mlの水でそれぞれ半量になるまで煎じ、1日3回に分けて飲むと良いでしょう。

~この記事は、「普及版食べて治す医学大辞典」、「熊本大学薬学部薬草園植物データベース」等を参考に作成しています

〒830-0022
福岡県久留米市城南町2-30クリーンリバービル3F
0942-80-6774
診療時間
9:00 - 12:30
13:30 - 18:00 × ×

○:火曜午後は19:30まで診療

休診日:水曜午後、土曜午後、日曜・祝日、第2・第4水曜