龍の薬膳part5 しみ・そばかす
2023.07.26
夏の養生 ⑥しみ・そばかす
夏休みがスタートし、お子様とともに親御さんも外で過ごすことが増えてきているのではないでしょうか?日焼けは夏の風物詩でもありますが、紫外線の浴びすぎが健康に被害を及ぼすことがわかっています。日焼けや紫外線角膜炎(雪目)、免疫機能の低下といった急性の症状や、慢性的にはシミ、しわ、皮膚がん、白内障といった病気に影響を及ぼすと考えられています。一方で、紫外線は皮膚でビタミンDを生成する働きがあります。ビタミンDは骨を強化する作用や細菌やウイルスを殺菌する作用があります。日焼けやシミ・しわといった健康被害の出ない範囲で、1日に必要なビタミンDを得ることができる日光浴時間(紫外線被照射時間)が国立環境研究所のホームページで確認できますのでご参照ください。
また、環境省は紫外線環境保健マニュアルの中で紫外線の浴びすぎを防ぐ以下の6つの対策を上げてます。
1.紫外線の強い時間帯(各地区で太陽が最も高くなる時:南中時)の外出を避ける
2.日陰を利用する
日陰を利用しても太陽からの直接のものだけでなく、空気中で散乱したものや建物から反射した紫外線もあります。直接日光だけでなく日陰でも紫外線を浴びていることは忘れないでください。
3.日傘を使う、帽子をかぶる
最近は紫外線防御機能を高めた日傘もあります。また、帽子の着用で目の紫外線は20%程度減少します。幅の広いつばのある帽子はより大きな効果があります。ただ、日傘や帽子でも直接の紫外線は防げますが、大気中で散乱している紫外線までは防ぐことができません。
4.衣服で肌を覆う
袖の長い襟付きシャツのように、身体を覆う部分の多い衣服の方が首や腕、肩を紫外線から守ってくれます。皮膚に到達する紫外線を減らすにはしっかりとした織目、編目を持つ生地の衣服を選ぶと良いですが、通気性・吸収性が悪いと暑い時期には熱中症を招く危険性もあるので無理のない範囲で衣服を選びましょう。
5.サングラスをかける
紫外線防止効果のあるサングラスや眼鏡を適切に使用すると目の紫外線ばく露を最大で90%カットすることができます。サングラスや眼鏡を使用する場合は紫外線防止効果のはっきり示されたものを選びましょう。
6.日焼け止めを上手に使う
衣服などで覆うことができないところには大人はもちろんのこと、子どもさんも上手に日焼け止めを使うのが効果的です。乳児の場合は紫外線の強い時間帯は外には出さない、または覆いをするなどの工夫をすれば日焼け止めを使わなくてもよいでしょう。日焼け止めはいつ、何をするときに使用するかによって選びましょう。日常の洗濯干しや買い物に出るのであればそれほど数値(SPF・PA)の高くない日焼け止めで充分です。日焼け止めとは表示されていなくても日中用の乳液、クリームなどでSPF・PAが表示されているのも有効です。紫外線の強い季節に長時間戸外に出る場合(炎天下でのスポーツ、ハイキング、海水浴など)には高い効果を持つものを、海やプールなど水に入る場合には耐水性の高い物を使いましょう。
まだまだ暑い夏はこれからが本番です。上手に紫外線と付き合いながら健康を維持していきましょう。それでもいつの間にかできてしまったシミ、しわに効果的な薬膳を今日は紹介していきます。
そばかすに良い~あずき
レシピ:あずき粉末の作り方~あずき10gを煎ってすり鉢またはフードプロセッサーで粉末にする。この3分の1量の米ぬかを合わせて布袋に入れる。この袋ごと熱湯に浸し、軽く絞ってそばかす部分を軽く撫でる。1日2~3回、5分ずつ繰り返すと薄くなってきます。あずきは「吹き出物を除いて肌をつややかにする」と言われています。このあずきの薬効がそばかすにも効きます。ただし、あずきは使うごとに取り換え、布袋は清潔にしておかないとかぶれる場合があるので注意しましょう。
肌の再生に効果~ヨーグルト
ヨーグルトは肌の再生には欠かせない良質のたんぱく質、カルシウム、ビタミンB2を豊富に含んだ食べ物です。また、たっぷり含まれた乳酸菌が新陳代謝を活発にして肌の老化を防ぐ働きもします。シミやそばかすに悩む人はこの肌を守る栄養がいっぱいのヨーグルトをたっぷり食べましょう。また、ヨーグルトにはメラニン色素の沈着を防ぐ作用のあるビタミンCをたくさん含んだイチゴやみかんを加えて食べるとより効果があります。
色素沈着を防ぐ~のり
ミネラル類をたっぷり含んだのりは、シミ・そばかすの原因であるメラニン色素の沈着を防ぐ効果があります。これはのりにビタミンCが豊富に含まれている為です。ビタミンAも多く、これは皮膚に潤いを与えます。さらにビタミンB1、B2は肝臓の働きを改善するとともに、血行を良くする効果があります。この作用も色素沈着予防するのに効果的と言えます。シミ・そばかす予防には生のりや青のりなどをうまく料理に使ってできるだけ多く摂るように心がけましょう。
顔や手足のシミに~鶏卵
レシピ:酢卵の作り方~鶏卵1個、醸造酢適量、はちみつ大さじ1弱、水少々を準備する。鶏卵は殻の汚れを水で綺麗に洗う。綺麗に洗った鶏卵をコップに入れ、醸造酢を鶏卵がひたひたになるまで注ぐ。コップにラップをしてしっかりふたをし、冷暗所または冷蔵庫へ入れて3~4日置く。突いてみてからに弾力性があったら殻を破って中身を取り出す。それに水、はちみつを加え、よく混ぜる。これを1日3回に分けて飲む。鶏卵には顔や手足のシミをきれいにする効果があります。また、酢にも肌をきれいにする効果があると言われています。鶏卵と酢を合わせた酢卵は毎日根気強く飲み続けるとがんこなシミもかなり目立たなくなるほか、肌が潤い、体力も付きます。
外用に抜群の効果~桃の花
桃の花は昔から花も、葉も種も薬として使われてきましたが肌に効果があるのは白い花です。シミ、そばかすには桃の花パックが効果的です。桃の白い花と冬瓜の種子を同量ずつ混ぜてすりつぶしたものをシミ、そばかすの部分に塗ります。
~上記の記事は「普及版食べて治す医学大辞典」、「2020年3月改訂版環境省 紫外線環境保健マニュアル」を参考に作成しています。