しん漢方心療クリニック

院長ブログ

龍の薬膳part11 二日酔い

2023.09.11

「二日酔い」の薬膳

秋の風が吹くようになりましたが、まだまだ昼も夜も暑くてじっとしてても汗が出る日が続いてますね。

仕事の後は冷たいビールやお酒でプハーっといくと美味しいし、疲れも吹っ飛ぶ!!でも飲み過ぎると次の日キツイ…二日酔いに効く食べ物は無いですか?と患者様に聞かれ、今回取り上げることにしました。

アルコールは体内に入ると胃や小腸、肝臓に運ばれ、処理されますが、この過程でアセトアルデヒドという神経に有害な物質が生まれます。この物質が二日酔いの不快感の主な原因です。

肝臓のアルコール処理能力は1時間で日本酒薬0.3合です。これを超える量を飲むと血中のアセトアルデヒドの量多くなり、いわゆる酔うという状態になり、短時間に大量の酒を飲めば飲むほどアセトアルデヒドの処理が間に合わず次の日になっても酔っている状態(二日酔い)になります。

二日酔いになったら、まず血中のアセトアルデヒドを早く体外へ排泄することがベストです。

そのためには利尿作用を促進する水、濃い緑茶や薄いコーヒーが有効です。

果物に含まれる果糖やハチミツの糖分も血液中のアルコール濃度を下げる働きがあります。

また、二日酔いの時は胃腸を労わる食事をとることが大切です。

さっぱりとして食べやすく、食欲をそそるもの、かつ消化が良く刺激の無い物を選びましょう。

【二日酔いに効く食べ物、飲み物】

  1. 弱った肝臓に効く~だいこんおろし

だいこんは二日酔いで弱った肝臓や胃腸の働きを高め、不快感、食欲不振を取り去る効果があります。だいこんに含まれているビタミンCには肝臓の働きを助ける作用があるからです。

また、ジアスターゼなどの消化酵素も豊富に含まれているため、胃腸の働きを整えます。

利尿作用もあるので血中のアセトアルデヒドの排泄も早めます。

大根おろしをそのまま食べても良いですが、大根おろしのしぼり汁にハチミツを加えたものを飲むのが効果的です。

  1. 昔からの特効薬~甘柿

酒の飲みすぎ、二日酔いには甘柿を2~3個食べると良いでしょう。

柿に含まれているタンニンなどには酒による交感神経の興奮を抑える働きがあります。

そのうえ、柿に多量に含まれる果糖は血中のアルコールを分解させる速度を速めると同時に、飲酒によって栄養分の少なくなった血液にエネルギーを補給します。

甘く熟したものほど効果的です。生が無い場合は干し柿を冷凍保存しておき、お酒を飲み過ぎた時に食べるのも良いでしょう。

  1. 不快な症状を取り除く~緑茶

茶に豊富に含まれているカフェイン、タンニン、ビタミンB・Cは、二日酔いでおこる不快な症状を取り除く働きがあります。

カフェインには利尿作用が、タンニンには頭痛を治す効果があります。

また、茶にはアルコールを解毒する働きもあるので、飲みすぎには最適です。

悪酔いをしたらお茶の葉10gを600mⅬの水で半量になるまで煎じ、1日3回に分けて飲みます。

  1. 吐き気をとめる~酢ショウガ湯

ショウガには「食べ物を下へおろす作用」つまり、吐き気を止める作用があることで昔から有名です。また、ショウガは頭痛を治す働きがある他、消化器全般の異常に効果があります。

特に胃腸の働きを助ける作用に優れている為、胃の不快感を取り去り、食欲を増進させます。

吐き気や食欲不振、頭痛や胃痛を伴う二日酔いには酢ショウガ湯を飲むと良く効きます。

【酢ショウガ湯の作り方】

ショウガ1かけ(約10g)は2㎜の厚さに切り、たっぷりの酢に漬けこんで4~5日そのままにしておく。

漬けたショウガ2、3切れをカップに入れ、はちみつを適量加えて熱湯を注いでよくかき混ぜて飲みます。

  1. 酔い止めにも効く~クズ湯

クズは夏から秋にかけて赤紫色の房状の花をつけます。この花が二日酔いに良く効くほか、悪酔いを防止する働きもあります。

特にクズ湯が効果的です。

まだ花が咲かないつぼみの物を採取し、日光で乾燥させます。この乾燥させたクズのつぼみ3~5gを300mⅬの水で煎じ、沸騰したら火を止め、冷めてから飲みます。

飲みすぎで吐血するほど吐くようなときも効きます。

クズ湯を酒を飲む前に飲めば酔い止めにもなります。

  1. 悪酔いにも効く~サクラ湯

サクラの花を塩漬けにしたサクラ漬けをお湯に振り出したサクラ湯を飲むと悪酔いが治ります。

市販されているサクラ漬けを利用するときは塩を落としてから熱湯を注ぐようにしましょう。

【二日酔いに効くその他の食品・山野草】

  1. 梅干し…二日酔いによる吐き気、食欲不振に効果的。濃い緑茶と一緒に食べると良いでしょう。
  2. ハチミツ…二日酔いによる食欲不振に効果的。ハチミツとりんご酢各大さじ1をコップに入れ、8分目まで水を注いで飲むと良いでしょう。
  3. しその葉…しその葉を刻んだものを軽く煎じ、おろしショウガを加えたものも二日酔い、特に吐き気やそれに伴う頭痛に効きます。
  4. イチジク…二日酔いで胃がムカついている時はイチジクがおすすめです。下痢を伴っていれば、イチジクの実1~2個を食べると良いでしょう。
  5. あずき…味は付けずに煮て、汁ごと食べると吐き気を伴う二日酔いに効きます。
  6. キハダ(黄柏、黄檗)…キハダ3~6gを400mⅬの水で半量になるまで煮詰め、布で漉したものを1日3回に分け、空腹時に飲みます。
  7. リンドウの全草…陰干しにしたリンドウの全草10gを600mⅬの水で半量になるまで煎じ、その汁を飲むのも効果があります。

~上記の記事は「食べて治す医学大事典」を参考に作成してます。

〒830-0022
福岡県久留米市城南町2-30クリーンリバービル3F
0942-80-6774
診療時間
9:00 - 12:30
13:30 - 18:00 × ×

○:火曜午後は19:30まで診療

休診日:水曜午後、土曜午後、日曜・祝日、第2・第4水曜