しん漢方心療クリニック

院長ブログ

龍の薬膳part21 鼻炎

2024.02.10

【鼻炎の薬膳】

立春が過ぎ、暦の上では春を迎えました。徐々にスギの花粉が舞い始め、その影響か、目のかゆみ、鼻汁、鼻づまりといったアレルギー様の症状を訴える方も増えてきています。

春の花粉症シーズン到来に先立ち、今回は鼻炎や蓄膿症に効く食事や食材、健康法をご紹介します。

〇鼻づまりに効果的~ダイコン

ダイコンは消化を促進して、胃もたれを解消したり、ダイコン飴にして、喉の痛みを鎮める効果もありますが、鼻づまりを取るにも有効です。

しつこい鼻づまりで息苦しい時は、ダイコンを擦りおろしてガーゼで絞った汁の「ダイコンおろしの鼻洗浄液」を作って脱脂綿につけて鼻に詰めます。2~3回繰り返して行うと鼻通りが良くなりスッキリします。ダイコンは辛くない部分(青首ダイコンの青い部分など。尖端よりも茎側が良い)を使うことがポイントです。

〇鼻をスッと楽にする~番茶

鼻が詰まって苦しい時は「塩番茶」で鼻孔を洗うと楽になります。

濃く煎じてぬるく冷ました番茶に塩を入れ、スポイトで鼻の中を洗います。またはこの塩番茶を脱脂綿に染み込ませて鼻に詰めておいても効果があります。

〇くしゃみが止まらない時~ショウガ

くしゃみが止まらない時は、ショウガを擦りおろして絞ったしょうが汁をぬるま湯に5~6摘入れておろしショウガの洗浄液を作り、この洗浄液を鼻から吸い込んで口から吐き出すのを5~6回続けます。

〇鼻炎が慢性化した場合~ドクダミ

1年を通じて鼻炎に悩んでいる方は、ドクダミ茶を飲むと良いです。

水600mⅬにドクダミの乾燥葉15gとハト麦15gを合わせて煎じて(沸騰したら火を弱めて初めの水量の半分量になるまで煮詰める)お茶代わりに毎日飲みます。

鼻炎になった場合、身体を冷やさないようにすることが大切です。

衣服や入浴で温めるとともに、身体を温める食べ物を摂取するのも良いでしょう。

身体を温める食材として、ネギ、ショウガ、人参、カブ、玄米、スモモ(プルーン)、サツマイモ、ジャガイモ、ヤマイモ、サバ、サケ、タイ、ウナギといった魚類や羊肉も良いとされています。

身体を冷やす食事である生野菜サラダや生ジュースは控えめに。また、エビやカニ、山菜なども鼻粘膜の充血に影響をしますので注意が必要です。

また、入浴後に髪が濡れていると鼻炎症状を悪化させるので、良くふき取ってドライヤーがあれば素早く乾かすと良いです。

【蓄膿症の薬膳】

蓄膿症は正しくは慢性副鼻腔炎と言います。鼻腔の周りの空洞に炎症が起きて膿が溜まります。

副鼻腔炎では、鼻づまりを起こして粘りのある膿のような鼻汁がたくさん出ます。その影響で鼻声になったり、嗅覚が低下したり、いびきをかいたりして頭痛、頭重感を伴います。

それらの症状が気になって集中力の低下を招き、学習や仕事にも影響が及ぶ場合があります。

軽症の場合は抗生物質などの薬によって炎症を鎮めたり鼻汁を流れやすくする方法などがありますが、数か月~1年と長期の治療が必要ですが、薬だけでなく、食事や日常生活に注意して、抵抗力をつけて炎症を鎮めていくことも重要です。

今回は蓄膿症に効く薬膳をご紹介します。

〇蓄膿症による鼻づまりの解消に~フキ

フキは葉柄とともに、花の蕾である「ふきのとう」にも独特の苦みがあって珍重されます。

フキの葉とふきのとうには同じような薬効があります。

また、カロチンやビタミンAにも富むので、旬の季節は特に積極的に食べましょう。

蓄膿症による鼻づまりには「フキの差し込み療法」が効果があります。

生ものを用いるので春の出盛りの時期に試してみましょう。

フキの茎を2㎝ほどの長さに切って就寝前に鼻孔に入れておく。息苦しいので片方ずつ行います。

〇鼻づまりによる頭痛に~オナモミ

オナモミは荒地や道端に生えている雑草の一種ですが、刺のある果実は解熱・鎮痛・発汗作用を持っています。

オナモミの果実は夏の刺のある果実が良いとされますが、無い場合は生薬の蒼耳子(そうじし)を漢方薬局で手に入れても良いでしょう。

オナモミが採取できた場合は、さっと洗って水気をふき取り日干しにして乾燥させます。

乾燥したオナモミの果実を水と一緒に鍋に入れ、水が半分の量になるまで煎じて飲みます。

〇長期の治療に効果的~オオバコ

蓄膿症は軽症のものであれば体質を改善すれば自然に治ることもあります。

ただ、かなりの長期の治療が必要になります。

オオバコの煎じ汁は毎日飲み続けることによって長引く蓄膿症の症状を改善していきます。

乾燥させたオオバコ全草20gを1日量として、煎じてお茶代わりに飲みます。蓄膿症以外に頭痛、咳止めなどにも効きます。

〇鼻汁を出しやすくする~ドクダミ

蓄膿症の鼻づまりや鼻汁は細菌による粘膜の炎症と、毛細血管への血液の集中が原因です。この症状には「ドクダミの差し込み療法」やドクダミ洗浄液による鼻洗い、ドクダミの煎じ汁が効果があります。

ドクダミの洗浄液はドクダミの全草を洗って陰干しにしたものを煎じて冷ましてから少量の塩を加えたもので、この洗浄液をスポイトで取って鼻の中を洗います。

乾燥したドクダミの葉を煎じた汁を食前30分前に飲む方法もあります。ドクダミの煎じ汁は個人差がありますが、半年以上飲み続ける必要があります。

〇抵抗力をつけて治す~ナツメ

蓄膿症の人は抵抗力をつけるためにナツメと甘草の煎じ汁を飲むと効果的です。

ナツメの果実8gと甘草2gを540mⅬの水に入れて半分量になるまで煮詰め、1日3回に分けて食事の30分前に服用します。

~以上の記事は「食べて治す医学大辞典」を参考に作成しています。

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