治療方針・診療理念
人にはそれぞれに悩みや不安がありますが、自分で解消しそこなったり、誰にも相談できなかったりしてそれが蓄積していくと、心の病や様々な体の不調が現れます。これらの症状の多くは、病院で検査を受けても異常がないと言われるのが特徴です。
そのまま放置すると症状が悪化し、イライラ、不眠、生きがいの無さ、憂うつ気分、不安感、不就労、不登校、引きこもり、ゲーム依存、薬物依存、リストカット、拒食、抜毛症などが現れることがあります。
体的には、動悸、過呼吸、肩こり、頭痛、めまい、腹痛、下痢や便秘、倦怠感等のつらい症状が現れ、これがさらに心の不調を増悪させます。
自分の症状が受け止められないと、ひどい場合には自分を肯定できずに死にたくなったりすることもあります。
当院では様々な体・精神症状に適切に対応しつつ、悩みや不安の背後にある生活史や問題を対話によってひも解いていきます。その人の人柄をヒントに、ご家族や友人、同僚などとの対人関係の特徴をとらえて、今から出来ること、あきらめるべきこと、望ましいこと等を一緒に探していきます。
診療科目
心療内科・精神科
患者さんの症状に応じて、適切な治療をご提案します。
- 不眠症
- うつ病
- 双極性障害
- 適応障害
- 不安障害
- パニック障害
- 強迫性障害
- ためこみ症
- アルコール依存症
- 統合失調症
- 妄想性障害
- ADHD
- ギャンブル、インターネット、ゲーム依存症
- 不登校
- 起立性調節障害
- 認知症
- 自閉スペクトラム症
- 恐怖症
- 心身症
不登校外来
学校に行けないことでお悩みのお子さん、保護者の方からのご相談をお受けします。
詳しくはこちら不登校の中学生、高校生に特化した放課後等デイサービスと連携しています。
放課後等デイサービスMFY!についてはこちら物忘れ外来
加齢による物忘れでお悩みの方、ご家族の方からのご相談をお受けします。
詳しくはこちら起立性障害(OD)外来
小学生〜中学生のお子さんに多くみられる、だるさや頭痛で朝起きることができない状態を「起立性障害(OD)」といいます。当院でもご相談をお受けしています。
詳しくはこちら漢方内科外来
- 風邪
- 頭痛
- 肩こり
- 腰痛
- 腹痛
- 冷え性
- 便秘
- 食欲不振
- だるさ
- めまい
- 耳鳴り
- むくみ
- 鼻炎
- アレルギー
- 月経不順
- 更年期症状
- 男性更年期症状
- 坐骨神経症
- 湿疹
- 皮膚炎
- 乾燥肌
- 頻尿
- 残尿感
- イライラ
- 不眠
- 神経痛
- 肥満症など
どんな症状でもご相談をお受けします。
根拠に基づく治療
当院では根拠に基づいた医療「EBM(evidence-based madicine)」を提供します。
EBMとは患者さんの治療方針を決定するために、最新かつ最良の根拠を患者さんと共有して思慮深く用いることです。
- 個々の患者のケアに関わる意思を決定するために、最新かつ最良の根拠(エビデンス)を、一貫性を持って、明示的な態度で、思慮深く用いることである。
- 入手可能で最良の科学的根拠を把握した上で、個々の患者に特有の臨床状況と価値観に配慮した医療を行うための一連の行動指針である。
- 個々の患者の臨床問題に対して、(1)患者の意向、(2)医師の専門技能、(3)臨床研究による実証報告を統合して判断を下し、最善の医療を提供する行動様式である。
などと定義されています。
EBMは、
- 患者の臨床問題や疑問点を明確にする。
- それに関する質の高い臨床研究の結果を効率よく検索する。
- 検索した情報の内容を批判的に吟味する。
- その情報の患者への適用を検討する
- (1)から(4)までのプロセスと患者への適用結果を評価する
という一連の情報処理過程を通じて、個々の患者に最適な医療を提供することを目的とした行動様式です。EBMは、抽象的な概念や理論ではなく、具体的な行動や判断の基準を示した実践的な情報処理の手法だといえます(日本理学療法士協会)。
EBMの実際の運用としては、診断や治療の根拠とする文献に対して、その研究の質に基づいたエビデンスレベルを判定します。そのエビデンスレベルに基づいて、委員会当で推奨グレードが決定され、それらをまとめたものが各疾患ガイドラインになります。CQ(Clinical Question)によっては無作為化比較対象試験(RCT; randomized controlled trial)が不可能なものもあり、その場合はエビデンスレベルと推奨グレードに乖離が起こる場合があります。
エビデンスレベルおよび推奨グレードの定義の例(日本神経学会)
エビデンスレベル
- エビデンスレベルⅠ
- RCTもしくはRCTのメタアナリシス
- エビデンスレベルⅡ
- よくデザインされた研究もしくは準実験的研究
- エビデンスレベルⅢ
- よくデザインされた非実験的記述研究(比較・相関・症例研究)
- エビデンスレベルⅣ
- 専門家の報告・意見・経験
推奨のグレード
- グレードA
- 行うよう強く勧められる(少なくとも一つのエビデンスレベルⅠの結果)
- グレードB
- 行うように勧められる(少なくとも一つのエビデンスレベルⅡの結果)
- グレードC
- 行うことを考慮してもよいが十分な科学的根拠がない
- グレードD
- 行わないように勧められる
精神疾患ではガイドラインで推奨グレードが明確に示さないことがあります。EBM普及推進事業で推奨されているエビデンスレベルは、基本的に薬物療法を中心とする治療効果研究を念頭に置いたものです。
したがって、精神疾患治療に複数の心理社会的治療を組み合わせる治療効果研究には必ずしもなじまない部分があります。
また精神疾患の診断や治療反応性には国や地域でのばらつきが大きいこともあります。CQに対する研究は年々積み重ねられており、今後推奨レベルも明瞭化されると思います。
いずれにせよ、エビデンスはいつでも誰でも利用可能になっており、エビデンスレベルが高く質の良い情報に基づいた精神疾患の診断と治療が選択されなければなりません。
当院で以下に示すようなガイドラインや最新のエビデンスに基づいた診療を提供しますが、ガイドライン等ではまだカバーされないCQに対しては、最新の情報に基づいた治療法等を提案し、患者さんと共に考え、その時点での最適な治療選択をしていきたいと考えております。
ガイドライン一覧
- 気分障害治療ガイドライン
- 神経症性障害の治療ガイドライン
- パーキンソン病治療ガイドライン
- てんかん治療ガイドライン
- 認知症疾患治療ガイドライン
- 神経疾患診療ガイドライン
- モーズレイ処方ガイドライン
- 米国精神医学会治療ガイドライン
- 注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン
- うつ病治療ガイドライン
- 大うつ病性障害・双極性障害治療ガイドライン
- 慢性頭痛の診療ガイドライン
- 米国小児科学会(AAP)の自閉症ガイドライン
- 児童・青年期精神疾患の薬物治療ガイドライン
- 統合失調症薬物治療ガイドライン
- 統合失調症治療ガイドライン
- 摂食障害治療ガイドライン
- 小児心身医学会ガイドライン
- パニック障害ハンドブック
―治療ガイドラインと診療の実際 - 睡眠障害の対応と治療ガイドライン
- 睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン
- 新アルコール・薬物使用障害の診断治療ガイドライン
- 子どもの強迫性障害 診断・治療ガイドライン
- 危険ドラッグ対応ハンドブック
―精神科救急医療ガイドライン追補版 - 精神科救急医療ガイドライン 2011年版
―規制薬物関連精神障害 - パニック障害(米国精神医学会治療ガイドライン)
- 小児の向精神薬治療ガイド